歯科界における話題についてお話しするコーナーです

         不定期ですが更新します。

日本人の口は臭い
 <日本人の口は臭い>

 こんなこと聞いたこと、ありますか? これはアメリカの日本人に対するある評価なんです。
それも企業戦士として海外出張が増える中年の方に対するものです。

 近年、子供を一人、多くて二人しか生まない少子化の影響は、子供に対する教育への関心の高まり、また衛生面の向上をもたらす結果を遂げました。 そのため現在、幼稚園、保育園児の虫歯は激減しました。 
ところが、親の目が離れる中学生ころから再び歯みがき習慣は鈍化します。 健診に行きますとそれが良く分かります。  中学生から歯肉炎の見られる人は増加し、これは高校生でさらに顕著になります。 つまり良く磨く人と殆ど無頓着な人と両極端に分かれていきます。
 さて、なぜアメリカ人はデンタルフロス、歯間ブラシ、リステリンなどの含嗽剤を使用し、徹底した衛生管理をするのでしょうか。 それは公的な保険制度がなく、安価で歯科治療を受けられないからです。 医科も同じですが、行く度に1万円以上の料金がかかります。 セラミックの歯を1本入れると30万円はします。 どうですか? そんなに歯にお金を掛けられますか?  保険で安価に治療を受けられるということ、それは結果的に歯磨きに対する無関心から歯周病を招き、「日本人の口は臭い」に繋がっていくのです。 
 先進国と言えないよ! 日本人の口は・・・。
歯医者は虫歯を治すところから歯磨きを習いに行くところ。 そう思って欲しいですね。





<よく噛んで脳の活性化(認知症の予防)>

 近年、認知症の予防には、@有酸素運動、A栄養、B脳を働かせる、加えて30分以内の昼寝などが提唱されてきました。
 たとえば、@では1日70008000歩、または1日30分以上の早歩きを週5回行う。Aでは抗酸化作用で脳の老化を防止するためにビタミンC(果物など)やビタミンE(大豆、ゴマなど)、ベータカロチン(ニンジンなど)を摂る。また、脳の血行を良くし、神経の伝達を良くするために、DHAやEPA(アジ、サバ、イワシ、マグロなど)を摂る。Bでは日記や家計簿をつけ、「いつ、どこで、何をした」を記憶して思い出す。そして30分以内の昼寝が脳を活性化するとされてきました。
そして最近、さらに加えて「よく噛むこと」が注目されています。
 咀嚼(噛み)、嚥下(飲み込み)の一連行動は脳の支配領域の血流を増加して神経を活性化させることが証明されてきました。すなわち、食物を目で見て認識し、味を確かめ、噛んで飲み込む感覚や運動は全身をつかさどる脳神経の半分にも及ぶ領域を占めているのです。これが「よく噛むこと」は脳の活性化に重要な役割を持つ事実なのです。さらに「よく噛むこと」は海馬という脳の領域に刺激を加えることが注目されるようになりました。海馬は記憶をつかさどる重要な役割を担うところです。一般的に脳神経細胞は老化とともに減少の一途をたどり、これが記憶の低下をまねくことは常識になっています。ところが最近、海馬の脳神経細胞は刺激の受け方や、ストレスで急激に増減することが証明されてきました。「よく噛むこと」は海馬の脳神経細胞を増やすことが実験でわかってきたのです。すなわち、「よく噛むこと」は海馬を活性化して記憶の低下を防ぐことが証明されたのです。大リーグの選手は試合中にガムをよく噛んでいます。これは緊張を和らげる化学物質が脳内に増加し、ストレスを抑えてくれるからです。また、運動反射能、筋力を高める効果もあることがわかりました。ガムの効用は今、高齢者の生活習慣病、認知症予防にも注目されています。「よく噛むこと」により満腹中枢に刺激が加わり、過食を防ぐこともわかってきました。

 今、次のことが提唱されています。是非、実行してみてください。 

「食前にガムを5〜10分噛むこと」

「一口、30回噛むこと」

 最後に、よく噛める歯、入れ歯であることが大切なことです。





 
<タバコと歯周病について>

 最近、タバコと歯周病(歯肉炎、歯槽膿漏)の関連性が指摘されてきました。
タバコの害は肺癌、胃癌などの発生因子であることは周知のことですよね。 日本人の喫煙率は先進国ではトップに肩を並べています。 大体にして、医者、歯医者の20〜30%くらいがいまだに喫煙しているわけですから、嫌煙運動が進まないわけです。 つい最近ですよ、医者が循環器系へ入局希望する際に、条件として非喫煙者に限る、または登院中は禁煙となったのは・・・。 実に嘆かわしい日本の医療関係者の意識レベルです。 タバコ吸っている医者が、肺癌、気管支炎などの患者に、タバコを吸わないようにと指示するわけですから、説得力がありませんよね。
 さてさて、テーマはタバコと歯周病でしたね。(^^ゞ
タバコの煙にはニコチンやタール以外にも2000を越える有害物質が含まれていると言われています。問題なのは、口の粘膜に直接にこれらの有害物質が作用することです。
タールは言うまでもなく発癌物質研究の元祖です。 特に主に口腔内で問題視されるのはニコチンの作用なのです。 ニコチンは血管収縮作用があり、直接に歯肉の血行を悪くします。 また、免疫細胞の活動を鈍くさせる作用もあります。 歯周病は細菌の感染です。 つまり抵抗力が弱ければ、歯肉は炎症を起こしやすく、次第に骨組織も破壊し、歯槽膿漏が進展してゆきます。
 ある統計では、喫煙者の、歯肉、舌、咽頭癌の発生率は非喫煙者の3倍。 歯周病の発生率は5倍になると言われています。 現在、歯周病、インプラント(人工歯根)などの治療に際して、喫煙者は予後の悪い結果を招くこと、学会では常識となっています。
 喫煙者のあなたは、寿命の短縮だけではなく、食生活においても苦労を背負いたいのですか?
是非、お考えください。




 
<電動注射器について>

 最新、近代的歯科治療には注射麻酔は必要不可欠です! 
ところが、その注射麻酔が怖いと言われる方は多いものです。 なぜ注射は痛いのでしょうか?
「当たり前だよ!針を刺すから痛いのさ。」 これが今まで、注射嫌いを生み出した根拠ですね。
なるほど、注射針は太い程痛いものです。 考えてみて下さい。 蚊の刺す針は極めて細いがゆえにほとんど痛みを感じません。 では、注射の針も細ければ痛くないのでは? その通りです。
では何故、昔からもっと針を細く出来なかったのでしょうか?
それには物理的な問題がありました。 針が細くなればなる程、注射液の通過する速度が落ちます。つまりゆっくりと注入しないと通過できないのです。 針が細いのに、同じ注射液量を同じ時間で通過するのには強圧で押し込まなければなりません。 ところが急激な強圧による薬液の注入は痛みを増強します。 極細の針はもはや人の手の感覚では注入できないレベルなのです。 そこで電動注射器の登場です。 一定のスピードでゆっくりと安定して注射液を注入する。 これにより痛みの極度に少ない注射を可能にしたのです。 ドクターは軽く握って針を刺し、持っているだけです。 決して強く押し当てません。 自動的に注射液が注入されていくのです。 実際に、患者さんからも好評です。
「え?注射、終わったの?」と聞かれることも度々あります。 私の腕が上がったのではなく、すばらしい注射器が開発されたのです。 歯科治療も日進月歩ですね。(~o~)/ 





 
<歯科医師会会員と非会員について>

 歯科医師会の会員と非会員についての話題です。
受診する患者さんにとって、全く分からない事ではないかと思います。
歯科医師会とは、いわゆる歯科医師の組合的な存在であることに違いはありません。
ただし、非会員とは重大な違いがあります。
 歯科医師会は地区の治自体(小金井市)から様々な業務を委託されています。
たとえば、学校歯科検診や健康相談、休日診療、講演活動、市報への投稿、保健所との連携行事などがあります。
これらの活動は歯科医師会の会員が担っております。
一方非会員はこれらの業務にたずさわることはありません。
つまり、公的な活動を全て拒否している方々と言えます。
わずらわしいことはお断りの精神です。残念ながら利益主導主義とも言えます。
私達歯科医師は様々な福祉活動を通じて地域に貢献していくことが本筋ではないでしょうか。
昨今、東京都で新規に開業する歯科医院の半数以上は非会員であります。
実に嘆かわしい事態であると思います。
このような観点から良き歯科医院という存在を考えること、これは誤りでしょうか?
現在小金井市では約60人中、非会員は6名です。
誹謗中傷はしたくありませんので、非会員がどの歯科医院かは申しません。
良心的な歯科医院を選びましょう!



 
 <レントゲン撮影の被爆について>

 稀に患者さんから言われます、「レントゲンは出来れば、撮らずにお願いします!」
特に本人ではなく、お子さんの治療の場合に言う方が多いですね。
レントゲン(X線)の被爆に不安を持っているからだと思います。
これは当然の疑問だと思います。
 
 X線とは放射線のことですが、日常でも種類の違いこそあれ放射線はいっぱいあります。
X線は電磁波の部類に入ります。電磁波と言えば、宇宙から飛来するもの(粒子線を含む)や、今や環境問題になっている高圧線やパソコン、テレビ、電子レンジから発生する問題がありますね。これら自然界の
自然放射線は年間2ミリシーベルトだと言われております。シーベルトと言う単位は放射線防護や放射線障害の目的で用いられる線量のことです。
 以下に具体的なデーターを示しましょう。(村上秀明著・日本医師会雑誌124巻3号2000年)
  
 
放射線被爆による影響
   

    臓器         影響           しきい値(影響の発生する最小値)

    精巣       一時的不妊         150msv(ミリシーベルト)
              永久的不妊        3500msv

    卵巣          不妊         2500〜6000msv

    胎児        奇形発生           100msv
               精神遅滞        120〜200msv
   
    骨髄       造血機能低下         500msv

 

 ●
診療行為で被爆する実効線量(msv)

    部位         実効線量         胎児の被爆線量

  胸部直接撮影       0.13            0.01以下
  
  胃透視撮影        4.15             0.22/分

  歯科標準撮影     0.0163〜0.0391          極小
 
  歯科パノラマ撮影   0.0399〜0.0436          極小

 このように歯科治療で行なうレントゲン撮影で受ける放射線量はかなり低いものであることが、おわかり頂けましたでしょうか。
 放射線障害は活発に細胞分裂を行なう組織に初めに影響を与えます。すなわち、血液を作る骨髄、精子や卵子を作る生殖器に現れ易いのです。また妊娠中の胎児への奇形の発生にも影響があります。
 上の表で分かるように、妊娠中の胎児への影響は100msv以上と言われています。
歯科用のレントゲンは子宮や精巣から離れており、直接にその方向へ照射される可能性は殆どありません。
 また、防護用のエプロンを使用すれば、生殖器への放射線量は殆どゼロに近いと言われております。
 レントゲン撮影は医科、歯科を問わず必要不可欠であります。
現代医学は放射線による診断、治療とともに発展してまいりました。
歯科だからと軽く見られている気がいたします。盲目的な、感に任せる治療は30年以上前の治療なのです。
 しかしながら、妊娠中の方、可能性のある方にはできる限り撮影しないように努めております。
その際はお申し出ください。




 
<歯科の麻酔について>  (平成14年7月

 近頃のマスコミ報道によると、4歳の子供が歯科の麻酔で亡くなりましたね。 おそらく、医療ミスではないでしょう。
歯科の麻酔は局部麻酔が主流です。目的の範囲のみを麻酔しているので、患者さんの意識下で治療が行なわれます。
一般的に汎用されている麻酔薬は塩酸リドカインを2%、血管収縮薬8万分の1含有の1.8ml入りの使い捨てカートリッジです。塩酸リドカインは現在、最も安全性が高いと言われる局所麻酔薬です。
血管収縮薬(エピネフリン)は麻酔液の吸収を遅らせ、少量の麻酔薬を長く効かせる効果があります。
通常は効かない場合でも1.8mlを2本くらいです。14〜15本までは許容範囲と言われてます。
日常、局部麻酔において、たまに見受けられるのが貧血症状です。
この原因の多くは麻酔薬のアレルギーによるものではなく、極度の不安や針を刺した時の痛みによる心因性(精神的なショック)のものであると言われています。
これとは違うものにアナフィラキシーショックという薬剤アレルギーがあります。
本当に稀に稀なことですが、死に至ることがあります。
おそらく今回の事件はこれが原因だと思います。
薬剤は全てにおいてこの危険性はあり、風邪薬でも死に至ることはあります。
ですから私達歯科医師もこのような緊急事態を想定した知識を持つ必要があり、未然に防ぐ手立てや救急蘇生(心臓マッサージ等)の講習会を受けるように万全を期しているのです。
あってはならぬことですが、備えは必要なのです。そんな心構えで臨んでます。
ご安心ください。




 
<キシリトールについて>

 最近話題の甘味料ですね。キシリトールは虫歯にならない甘味料として注目を浴びてます。
虫歯は細菌(ミュータンス菌など)により糖質から酸を生成し、歯質を溶かすことによっておこります。
最も効率よく酸を生成しやすい材料が砂糖(ショ糖)ですが、キシリトールは酸を生成しにくい甘味料なのです。しかも甘さも砂糖に近いすぐれたものです。
ただし、誤った解釈がかなり横行しています。
「砂糖を使ったお菓子などを食べた後、キシリトールガムを噛むと虫歯にならない」とか。
これは間違いです。キシリトールは細菌が砂糖から酸を生成する過程を阻害するものではないからです。
また、キシリトールガムに砂糖が混入してある製品もあり、虫歯を抑制する効果はありません。
「歯にやさしいキシリトール含有」とか(砂糖が入っているのに!)誤った宣伝文句には困りものです。




 
<矯正治療はいつから始めるの?>

 治療開始の時期は症例によって違います。
一般的には、永久歯が生えるのを観察しながら治療することが理想です。全ての永久歯が不正状態で生えてしまうと、治療後に治療前の状態に戻ろうとする現象が起きやすくなります。つまり、ねじれてる歯や重なっている歯は元に戻りやすいのです。
ところが歯は生えながら方向を修正されると、修正されたままの状態を保ちます。
では、全て早めにというわけでもありません。治療の時期は症例ごとに違ってきます。
 たとえば、骨格性の不正歯列の代表として極度の受け口(反対咬合)があります。これは下顎が成長期に急激に大きくなるために起こるもので、プロレスラーのアントニオ〇〇さんで分かると思います。この場合は幼少期から受け口が見られ、将来的な判断がつくことが多いもので、小学校に入る前から治療を開始します。
 また、上顎前突と言ういわゆる出っ歯の場合も、深いかみ合わせを改善するためにも早期の治療(小学1〜3年)が望まれます。
 いわゆる八重歯の場合は、必要により奥歯を抜歯し、糸切り歯が生えてくるのを待つことも多く、この場合は小学校高学年から中学1年に開始となります。
 このように時期は異なりますので、まず早期(6歳ころ)に診察し、判断してもらうことが理想的だと思います。
 尚、矯正治療に年齢制限はありません。ただし、子供と大人では歯の動くスピードは明らかに差があり、子供は速いものです。また、中高年の場合は歯周疾患との係わりもあります。ご相談ください。




 
<歯の変色について>

 歯の変色は生活歯と失活歯の場合で状態が異なります。
生活歯(いわゆる神経のある歯)は一般的に増齢とともに食物由来の色素沈着が、歯の表面から浸透して黄ばみを生じます。
失活歯(いわゆる神経のない歯)は歯の表面からの色素沈着以外に歯の内側からの色素沈着が加わります。その原因は、つめものの隙間から浸入した食物色素、つめものの金属イオン、根管治療の薬剤による変色、歯髄組織の分解した色素などがあります。
 特殊なものとしては抗生物質(テトラサイクリン系など)の服用による灰褐色の変色があります。これは幼児期に服用したテトラサイクリンが骨や発育中の永久歯に沈着した結果、起こります。
 歯の漂白は薬剤を用いて行いますが、全ての変色歯が漂白可能ではありません。先に述べたように、つめものがゴールド系以外の金属の場合、特に銀イオンによる黒変色は期待できません。また、テトラサイクリンによる灰褐色の変色も難しいとされています。
これらはセラミックなどの冠を被せるか、表面に貼り付ける(ラミネートベニア)ことによって対処することが多いようです。
 お悩みの方は相談してください。




<電動歯ブラシについて>

 電動歯ブラシは手の不自由な障害者向けに考案されたと言われています。
最近の電動歯ブラシはかなり進歩してきました。小刻みに上下するものから始まり、回転するもの、超音波を応用したものなど、様々な製品が開発されてきました。
 お勧めは?と聞かれても、一長一短があり、使い心地の良さと効率よく磨けることがポイントです。
市販されてるものでは4〜5000円くらい以上がよいでしょう。2000円以下のものもありますが、歯医者から見てもお勧めできるものではありません。十分な研究がなされてるメーカーものが良いでしょう。
 電動歯ブラシは補助的なものと私は考えています。手を使って磨くことは歯ブラシの毛先の感覚を手に感じ取ることができ、歯肉への圧や強弱をコントロールしやすいのです。
ただし、磨き方のくせは誰にでもあり、磨き残し、歯根の磨耗、歯肉の後退などをおこします。
そこで電動歯ブラシの登場です。歯ブラシは勝手に動いてくれますから、あとは歯や歯肉への当て方、方向を考えてあげればいいのです。これによって手による磨きの偏りを修正できると思います。
ですから、朝に手で磨き、寝る前に電動歯ブラシというような使い方をすれば、かなりの効果があるでしょう。
 また歯磨きの嫌いな、不精さんの場合は200パーセントの効果があるでしょう!。
 是非、お試しあれ!。




<口臭について>

 案外、お悩みのかたも多いことのようで、よく問いかけられます。
口臭の原因は大きく分けてニ通りあります。一つは口腔内(口の中)が原因の時、二つ目は肺や胃などの臓器から由来するものです。
 歯科では口腔内の環境を改善することによって、口臭はなくなります。
多数の虫歯、あるいは重度の虫歯の存在は、腐敗臭からかなりの口臭をもたらします。
いわゆる歯槽膿漏(歯周疾患)の原因による口臭もかなり見受けられます。
歯槽膿漏では、歯周ポケットといわれる歯の根もとから膿(うみ)が排出されるために臭うのです。中高年の方に圧倒的に多い原因です。
歯周病の原因は歯垢や歯石中の細菌です。
歯垢はハブラシで除去できますが、歯石は歯医者でなくては除去できません!。
「アセスをつけてマッサージしてますから」とよく耳にしますが、これは健全な歯肉の場合に有効で、時々出血する人(中等度以上の歯周病)には適さないのです。
あなたの歯肉は健全でしょうか?
 朝、寝起きにもっとも臭うと思いませんか?
これは寝ている間は唾液(つば)の分泌が少ないからです。唾液による口の中の洗浄作用が行われないためです。これは生理的に問題ありません。
 肺や胃などの内臓からくる強い口臭は、内科の診察がおすすめです。
まず歯医者で口腔内に異常がないかどうか調べてもらってからがベストです。
 あとは以外に知られてないのが舌の表面のよごれ。ベーと舌を出したとき、舌が白かったり黄色かったりしませんか?この舌苔(ぜったい)といわれるよごれも取り除きましょう。スプーンでかきだせますよ!
 もうひとつ、鼻の疾患に注意。慢性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)の悪化したときも臭いますよ。耳鼻科に行きましょう。
 最後に、タバコ臭は歯槽膿漏と合併すると最悪な臭いです。女性にもてたい方は今日からやめましょう。ちなみにわたしもマラソンを始めた37歳(1992年)に止めました。意志の強さ、根性につきます。
がんばれ!禁煙を志す人よ。

 以上、おわかり頂けましたか。




<矯正治療で、なぜ健全な永久歯を抜歯するの?>

 歯と顎骨の大きさのバランスが一致しない時に、様々に不正な歯並びが発生します。
顎骨が小さい時、または歯が大きい時、いわゆる八重歯ができます。
逆に、顎骨が大きい時、または歯が小さい時、いわゆるすきっ歯ができます。
これは共に顎の成長が終わる段階で出現するものです。専門医ならばかなり正確に事前に判断がつくものです。
この二つの不正な歯並びで、永久歯の抜歯の必要が問題になるのは八重歯の場合です。
顎または歯の大きさのアンバランスから生じたわけです。
顎の大きさに見合う歯の数、すなわち正常な数の歯では顎に並び切れない場合に歯を間引く、これが永久歯抜歯の根拠なのです。
通常は糸切り歯の後ろの臼歯が抜く対象となることが多いです。
 また一方、このような不正な歯並びと発生原因が異なるものに、上顎前突(いわゆる出っ歯)と反対咬合(受け口)があります。
上顎前突は上の顎が下の顎よりも前方に位置した時に発生し、反対咬合はその逆です。
共に片方の顎だけが標準より大きく成長するか、または成長が悪いときに生ずる不正な歯並びです。
この場合の治療にも永久歯の抜歯を行うことが多くあります。
その根拠は、抜いた奥歯(臼歯)の隙間を利用して、左右の糸切り歯の間の6本の歯を後方に引っ込めるためです。その結果、上顎前突や反対咬合の前歯の突出感を解消するのです。
 他にも理由はありますが、専門家でなければ一般の歯科医でも分からないと思いますので、ここでは省きます。
 以上、大まかですが、ご理解頂けたでしょうか?




<保険診療と保険外診療の違いは?

 この話題は非常に難しい問題ですが、あえてお話しします。
簡単に言うと、健康保険の規定からはずれた診療の場合は保険外診療です。
一般の方には分からない規定が盛り沢山!です。
その規定とは別に、私は本来、その歯科医師の持つ技術を100%発揮できるものが保険外治療ではないかと思うのですが・・・・・・。 実際は、「使われる材料が保険と同じであれば保険にて請求するべし」が厚生省の指導です。
でも考えてください。 たとえれば、大工さんがむくの檜の柱を使う家を建てる時と、合板の柱を使う時の技術は同じですか?、念の入れようも違いませんか?
技術料は無視され、材料代だけを考えているのが、現在の健康保険制度なのです。 これは本当です。技術料が保険の点数では低すぎるのです。
また、いい加減な治療の先生も丁寧に治療する先生も同じ診療報酬なのです。
 では、私はどうしているのか?知りたいですよね。
正直言って、空前の不景気という時勢がらで保険外診療は激減しました。
また、急激な歯科医の増加で過当競争も激しくなりました。
今、生き残る歯医者は「誠心誠意」を保険治療でも実行できるかどうかでしょう。
それだけに厳しい状況です。
わかってくださる患者さんは長年にわたり変わりありません。
患者さんも、歯医者も経済的に厳しい時代に悩み尽きぬところですね。




<在宅歯科診療について>
 
 
平成14年4月から健康保険の点数改正がありました。
ほぼ2年毎に変わります。今回は特に大きな変革がありました。
在宅歯科診療とは、身体的に外出困難な方への歯科の往診治療のことです。
もう、自冶体としてはかなり定着してきた事業ですが、まだ知らぬ方も多いのではないかと思います。
我々歯科医師も保険基金から、「訪問歯科診療料」として保険点数がさだめられているものです。
その際の診療点数も従来までは通常の1・5倍が認めてもらえました。
しかし、今回の改正で通常の点数のみと改正されました。1・5倍の廃止です。
「往診に行く」ということ、それは内容にもよりますが時間的にかなりかかります。
良心的に行動している歯医者にとって、本音を言えば1・5倍でも少ないと思います。
これは増え続ける医療費の抑制と、訪問診療車を利用した大掛りな組織の押さえ込みにあります。
結局は国民に跳ね返る皺寄せです。
私達歯科医師にとっても、「いじめ」にも映ります。
あ〜世の中、どうなることやら思いやられます。
いかがなものでしょうか?



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